こんにちは
管理者 とも@生き方カウンセラーです
日常会話の中で「あの血液型だから、あんな行動なのか・・・」や「あの星座だから・・・」という話が出てくることがあります
それだけではなく、入社試験の面接官をされる方や人事評価をされる管理職の方々には、「あのタイプは・・・」など、何かの型にはめて人を判断されることもあるようです
このように、「型」にはめることって、心理学的にどのように考えるのでしょうか
特性理論で有名なGordon Willard Allport(以下、「Allport」とします)より
「人格を恒常的で固定的にして不変のものとみなすどんな理論もまちがっている」
と示しております
Allportは、現代において人格(パーソナリティ)を専門とした研究に最初に着手した心理学者です
彼は、20世紀初頭に、心理学の二つの有力な学派であった、精神分析と行動主義に対して、「精神分析は、個人の過去を重視しすぎること」と「行動主義は、行動を行う当人の『人格』を考慮に入れない点」を指摘し、どちらも人格と行動を説明するには不十分としております
そこで、Allportは人格研究に対して、法則的定立的方法と個性記述的方法というはっきりと区別される二つのアプローチを採用しました
法律的定立的方法とは、行動主義者のB.F.Skinnerが用いた手法で、可能な限り客観的にして科学的であることを目標としており、特定の個人以上にある種の特性について、相対的な見解や結論を導くことを主眼としています
この方法では、個体レベルの特性に言及することはできないとしております
また、個性記述的方法とは、ひとりの人間をその時間軸に沿って研究し、その生いたちや性格的特性、人間関係、さらには他人からどう見られ、受け取られているかを検討します
この方法は、ひとりの人間とひとつの人生に焦点を当てる点で、精神分析に近いと思われます。
このように人格研究に取り組んだAllportは、人格のうちにどのように特性がかたちづくられるのか、それは行動とどうつながっているのかということに関心を抱きました
Allportが示唆するのは、私たちがどうふるまうかは、内的力と外的力との結合に左右されるでのはないかということでした
Allportが「遺伝子型」と呼んだある種の内的力が、私たちが情報を保持し、外界との相互作用においてそれをどように用いるかを決めます
同時に、Allportが「表現型」と呼んだ外的力は、個人がその環境をおよぼすのをどのように認めるかを決定します
Allportに言わせれば、これらの二種の力が、個人的特性の創造にとっての地盤をかたちづくるそうです
つまり、
人格のうちの特性は、自分自身が持っている力と、環境などの外からの力によるもの
です
そのため、Allportは、
「あるひとが特性を持っているという言い方はできるが、そのひとが型を持っているという言い方はできない」
や
「人格は、概念の拘束服に縛りつけるには、あまりに複雑な代物だ」
としました
このように、人格や性格を型にはめてしまうのは少々、荒いことなのかもしれないと思います
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参照 三省堂「心理学大図鑑」(2013年)



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